痛い時、冷やすのか?温めるのか?

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします🎍

痛みのある場所を冷やしたらいいのか、それとも温めたらいいのか悩んだことはございませんか?医学的に言うと急性期は冷やして慢性期は温めるというのが正解です。
急性期とはケガをした直後、痛みが出てきた時期で、捻挫(ねんざ)や打撲、ぎっくり腰などの受傷直後が当てはまります。この時期は、局所に急激に負荷がかかり炎症反応、つまり、血流量が増加して、腫れ、発熱、痛みを起こしています。なので、温めるのは逆効果で、炎症反応を強くしてしまいます。お風呂に浸かってしっかり温めるなどは避け、シャワーで軽く流す程度に済ませる。また不必要に動かしたり、揉んだりということも炎症を強めてしまいますので、サポーターやベルト、テーピングなどを日中は使用するなどして、できるだけ安静を保ちましょう。この時期に必要なのは炎症を抑制することで、発熱を抑えること、つまり冷やすことが重要なのです。

腫れていたり、炎症が酷かったりすると、「患部を冷やしてください。」と指示されることがあると思いますが、
この「冷やす」は、「氷や保冷剤を当てて20分程冷やす」ことです。
湿布薬に冷やす効果があると思われる方も多いのではないかと思います。ですが、湿布薬は貼ったときに、メントールの成分で一時的にひんやりと冷感がありますが、腫れて炎症を起こしている患部の深部まで冷やす効果はないんです。
湿布薬は、「炎症を抑えて、痛みを和らげる」消炎鎮痛薬。つまり、痛み止めです。

なので「患部を冷やしてください。」と言われたら、
氷や保冷剤を当てて20分ほど冷やしたあと、痛み止めとして湿布薬を貼るようにしてください。

また、「冷湿布」と「温湿布」。基本的には、どちらの湿布も同じ消炎鎮痛剤を用いているので、薬としての効果は同じです。一般的な痛みに対しては、冷感と温感の『どちらが気持ち良いか』で使い分けるのが良いと言われています。湿布薬は副作用の少ないものではありますが、長時間貼ったままや、用法・容量を超えて使用するのは、薬剤の過剰投与や、かぶれなどの肌トラブルの原因となりますのでご注意ください。メントールのスーッとした感じや、温湿布で感じる温もりが感じられなくなったら、はがすのが適当でしょう。

急性期を過ぎると、今度は慢性期に移行します。慢性期には炎症はおこっていません。痛めた局所が疲労し、機能不全に陥っている状態なのです。筋肉は硬くなり血流が阻害され、疲労した局所に酸素と栄養が行き届かなくなり、その結果、重だるいような痛みが出るのです。ですから、この時期には温めて血流を改善させ、痛んだ局所に十分な酸素と栄養が行き届くようにしてあげることが重要なのです。

では急性期はどれくらいか? これは人によっても場合によっても異なりますが、だいたい発症から2~3日までをいいます。痛みが急激に出てから2~3日くらいは冷やすのがよいのです。
また、痛い部位を自分で触ってみましょう。痛くない部位よりも熱く感じる場合は急性期と判断して冷やすとよいでしょう。逆に冷たく感じる場合は慢性期と判断して温めるとよいでしょう。 ただし、受傷から4,5日たって痛みが治まってきたからと安心して患部を動かしたり、温めたり、揉んだりしてしまうと、炎症や痛みが再び現れ、より一層、痛みが取れるまでに期間を要してしまうことになります。
慢性期に入るまでの移行期は、炎症の強さや、処置や安静の度合い、個人差により3週間から6週間くらいかかる場合もあります。慢性化させないためにも、焦らずきちんと治療することが大切です。
筋肉痛のときは3~4日して痛みのピークを越えたら、温めて患部の血行を促すことで回復を早めますが、靱帯損傷や手術の後は2~3週間温めないほうが良いでしょう。
基本的には、急激に痛みが強くなったとき、局所が熱く感じる場合には安静にして冷やし、その後、痛みが和らいだ時期には温めると覚えておいてください。

受傷から時間が経って、炎症なのか機能不全なのかわからないとき、簡易的に判断できるのは”入浴”です。これはしっかり温めることでシャワーではなく「湯船に浸かる」ことです。
湯船で温まった時、患部に痛みを感じたら炎症が起きている可能性が高いので、入浴を中止しすぐに氷や保冷剤を当てて患部を冷やしましょう。

逆に、温まった時に痛みが楽に感じる様であれば、炎症の可能性は低いです。そのままゆっくりお風呂に入り、患部を冷やさない様にしてください。

いずれにしても、痛みや違和感を我慢するのでは無く、早めに適切な治療を受けていただき、痛みのない笑顔でいて欲しい、と私たちは願っております。